ヒラギノ角ゴシック体 pro と proN の違い


Macに標準搭載されている「ヒラギノ角ゴシック」について調べてみました。


調べる事になった経緯

先日、Sketch(イラストレーターの簡易版みたいなソフト)で書かれたWebページのデザイン画を元にHTML、CSSでコーディングをする事になりました。

Sketchではデザイン画の情報を文字で見ることが出来ます。
例えば、余白の幅は何ピクセルなのか?文字の色は何色なのか?文字のフォントは何か?など。
しかし、どのフォントを使っているのかが見切れていて最後まで見えない箇所がありました…。




上記画像を見ると、"Hiragino Kaku Gothi..."では、"Hiragino Kaku Gothic Pro"なのか、"Hiragino Kaku Gothic ProN"なのかが分からない。
そこで生まれた疑問が、 ProとProNの違いって何だろう? でした。




ヒラギノとは


字游工房がデザインしたフォントです。
日本語書体として、ヒラギノ明朝体、ヒラギノ角ゴシック、ヒラギノ丸ゴシックなどがあります。
フォント開発時のコンセプトは、「クールでスマートな、若々しいイメージの書体」で、「流行のファッション雑誌や広告で使われるような書体」だったそうです。




角ゴシックの意味


ゴシックは基本的に縦横の線の太さが同じです。また、“角”というのは角が角ばっている事を意味します。
「装飾性がない」という性質上、視認性が高く、遠くから見ても文字が判別しやすい文字です。 そのため、屋外の看板や案内物などに向いています。

一方、文章では、「縦画と横画の太さの違いや、細部の文字の装飾などが視線を誘導して読みやすくする」という役目が要求されます。 つまり、特徴のないゴシック体は文章の版組みには向かないそうです。特に、漢字が多い文章や、長い文章、新聞などの小さい文字組では非常に読みづらいと言われています。 そのため、ゴシック体は文章の見出しなどに用いられ、本文には主に明朝体が用いられるのが一般的です。




ヒラギノ角ゴシックのすごいところ


デザイン業界で標準的に使用されているMac OS Xに3書体(W3, W6, W8)が標準搭載されています。
テレビCM・テロップ、道路標識・サイン、雑誌・書籍・ポスター、スマートフォン・タブレット端末など日常のあらゆるシーンで多数採用されている人気書体です。 可読性が高く、高速道路などでも一部「ヒラギノ角ゴシック体 W5」が使用されていることも。  やや広めのフトコロ(※1)と、画線両端のアクセントにより、読みやすさと存在感を両立しています。 (角ゴシック体の「特徴のないゴシック体は文章の版組みには向かない」というデメリットを克服している!) 明るくつぶれにくく、多彩なウエイト(太さ)バリエーションで、極小サイズから特大サイズの見出しまで、幅広く対応します。 また、「ヒラギノ明朝」と組合せても違和感がないように設計されています。

(※1)「フトコロ」とは、画と画が構成している内側の空間のことで、ふところが広い書体はおおらかな印象、狭い書体はひきしまった印象を与えます。





Pro って何だろう


"pro"とは、基本的には「収録文字がたくさん」という意味を表します。
"Std"とついているフォント名もありますが、 stdはスタンダードの略で、 基本的には収録文字数が標準的である事を指します。




ProNの"N"って何?


Nつきのフォントではいくつかの漢字が旧字風になる 「JIS2004字形」
Nのつかないフォントでは略字風の 「JIS90字形」




まとめ


  • ヒラギノフォントにはフォント開発者のこだわりと愛が詰まっている。
  • ヒラギノ角ゴシックは可読性に優れている。
  • proとついていたら、収録文字数がたくさん
  • Nがついていたら旧字体の漢字が混ざっている



引用&参考サイト一覧



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